2011年11月1日火曜日

本日の読書



この巻も読みだすと止まらなかった。
鄧小平が政治のためには「宝華製鉄」すらも利用した場面が印象的だった。さすがは中国。
っというか、この巻を読んで幾つか気づいた部分がある。

1,今よりもメンツについて重視している。
ほんとに事ある毎にメンツを連発している。僕が留学していた時もメンツという言葉は日常茶飯事だったが、この小説の時代の中国人はもっと切実な、もっと必死な意味合いでのメンツだと思った。文化大革命で新しく歩みだした中国。外国との交流がなかったからこそ、舐められてはいけない、バカにされてはいけないという思いからメンツに対して敏感になっているように僕には思えた。

2,当時の残留孤児の扱いのまぞさ。
一心は運良くいい義父に出会えた。それとは対照的に妹のあつ子は絵に描いたような糞みたいな家にいた。いや、ほとんどの残留孤児が糞みたいな扱いを受けている。一心が奇跡的なだけ。
だが、これは中国だからという見方はできない。どこの国であろうとこんなもんだろうと。

3,中国人の愛国心は名実ともに昔の方がすごい。日本嫌いも以前のほうが強い。
留学に行ってたときは反日感情の強さにかなり動揺したけど(泣いた時もあった)、もしあの時代に留学してたらどうなってたんやろう。この小説の時代と比べると、ほんとに楽しい留学生活だったな。実際親友とよべる友達もできた。
あと10年、20年経てば中国でも戦争は完全に過去のものになるような気がする。戦争を実際に経験し、日本の兵隊に殺された人を実際に目の当たりにした人もどんどんいなくなる。

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