2011年11月14日月曜日

中国とベトナムのイノベーション・システム



今日はアジ研でバイトだったので、昼休みとバイトが終わってから書籍を読んだ。
アジ研の今週のおすすめ本を読み漁っているのだが、なにぶん時間が限られているのでじっくりは読めない。
でも、その限られた時間内で選択した箇所を集中して読むって訓練も必要かと思う。
以下でまずこの本の概要と目次を載せる。


この本の概要:参考URL
「中国とベトナムのイノベーション・システム - 産業クラスターによるイノベーション創出戦略」
一党独裁でありながら,国内各地において企業間連携や産学官連携等による産業クラスター戦略の推進でダイナミックな経済状況が見られる中国とベトナム。そのイノベーション・システムを考察することで,我が国成長のヒントを探る。


序章
第1章 北京・中関村科技園区における産業クラスター戦略
第2章 中国のデジタル・コンテンツ分野における産業クラスター戦略
第3章 中国・天津エコシティにおける新たな産業クラスター戦略
第4章 LL事業による日中の地域間連携と環境分野の産業クラスター戦略
第5章 ベトナムにおけるオフショアリング開発とソフトウェア・ビジネスの戦略
第6章 ベトナムにおける日本語教育と日系ビジネスの人材育成の戦略
第7章 ベトナムのハノイ・ホアラック・ハイテク・パークにおける産業クラスター戦略
第8章 ベトナムのソフトウェア・ビジネスにおける産業クラスター戦略
第9章 新横浜における産業クラスター戦略に関する考察?新横浜ITクラスターの事例?


今日見たのは1章、2章、3章、5章だ。続きは明後日に見ようと思う。(今週の本がまだあれば・・・)


ここで産業クラスター戦略という言葉が目次でたくさん出ている。
産業クラスターとは、ある域内で企業と各種機関(学校とか)が協力したり、競争したりして生産性を向上させようぜ!っていう概念だ。もっと詳しく知りたい人は、Wikipediaで調べてくだぱい。

もっともっと詳しく知りたい人はRIETIにある資料を読んでみてください。
例えば、ココとかココ


先日紹介したバングラディッシュの本にもチャイナプラスワンという言葉があったが、この本でもベトナムをチャイナプラスワンとして見ている。チャイナプラスワンってたぶんだけど、バングラディッシュ、タイ、ベトナム、カンボジアが有力なんだろうな。っで、いつもどおりメモした。


中国、2009年:
GDP成長率8.7%、名目GDP総額約4兆9000億ドル、一人あたり名目GDP3678ドル。


ベトナム、2009年:ココも参照
GDP成長率5.3%、名目GDP総額約964億ドル、一人あたり名目GDP1060ドル、人口8721万人、94%。



ベトナムの強み:
1,集団合議制による共産党一党政権で政治・社会・治安が非常に安定

2,経済の持続的成長、中国とまではいかないが、GDP成長率も堅調。

3,低廉かつ豊富な若者の労働力の存在。成人の識字率94%。40歳いかが人口の約8割。

4,ベトナムにおける各種経済協定の締結と国内の市場開放。

弱み:
1,ソ連型経済(COMECON)体制の後遺症により、システムが立ち遅れ裾野産業の発展が遅れている。*1

2,地方と都市の落差、一次産業脱却の遅れ、貧困問題

3,二重通貨体制による金融システムの不安定。*2

4,インフラの遅れ、法制度改革の遅れ

5,法定最低賃金の上昇と職業の低定着率




昨日、オフシェアリングについてもう一度読もうと思ったのだが、もう今週の本棚からは消えていた。
なんてこった!!
なので、これからは1階においてある雑誌しか読まないことにした。てへ。

ベトナムについてはドイモイとヌクマムくらいしか知らなかった。
それもすべて黒木亮氏のアジアの隼を読んで知ってたくらい。




この本を読むとまるでベトナムに行ったような気になって、「中国より賄賂えぐそーやな!中国はもしかしたら発展途上国の中でまだマシなほうなんか?」なんて思ってたりした。




*1:ここで言われている裾野産業は車でいうところの各種部品のこと。さーっと本を読んでいたのでどういうことかよくわからなかったけど、大きな生産工場を作ったのはいいけど、生産に必要な各種部品を効率よく使える環境にないということだろう。しかし、これも貿易協定などによって他の国から効率的に配分することも可能なのではないだろうか。っという情報はここにある。

*2:どういうことかというと、ベトナム国内でドルを使うことができるのだが、銀行間の送金はベトナムドンで決済しないといけない。こうなると、二重に通貨リスクが発生してしまう。

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