2011年10月30日日曜日

本日の読書



1巻からの続き。
主人公の徳一心が冤罪である労改(インテリに対する政治的な制裁、表向きは思想改革)から開放され、義父との感動的な再開を果たす。血は繋がっていないが、ここまでの主人公に対する義父の振る舞いには驚愕した。それ以上に、義理の息子が日本人の子ということを全く介さない姿に、僕は彼こそ聖人だと思わざるえない。

労改から国の機関に返り咲くという奇跡を起こした。すべては一心の不屈の精神によるものだが、よくあの状態にへこたれなかったと思う。僕だったら、開始5分くらいでえーんえーんと泣きわめくし、10分で取り返しのつかない欝になる自信がある。
いや、現代人ならたぶんみんなそうなる。それくらい、僕らは恵まれている。

彼がすぐに仕事に復帰し重要なポストにつくことができたのは、彼が労改の中で学習した母国語である日本語のおかげだ。
労改で知り合った一人の華僑に自国の言葉をしらないと寂しさを教えられたからでもある。

今の日本では努力さえすれば自分の夢をつかむことができるし、もし努力を拒もうとも、当時のように食べるのには困らないし、奴隷のように扱われることもない。自分次第でなんでも好きな事ができる。そうであるからこそ何もしない人が多いかもしれない。

結局人は逆境や困難な状況に陥らない限り、今の幸せに気づかないのかも。
僕は今健康だし、好きなときに本もよめるし、お腹が減れば飯が食べれるし、コーヒーも飲める。
毎日感謝して過ごさないとバチがあたりそうだ。

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